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映画「炎のランナー」

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私の好きな映画といえば、イギリスを舞台にした映画が大多数。

映画館で見た映画は、なるだけパンフレットを買って、家に帰ったあと、またその余韻に浸ります。この映画はレンタルで見たのだろうと思っていたら、パンフレットが手元にありました。


「Chariots of Fire Trailer」




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1981年のアカデミー賞作品である「炎のランナー」は、1924年のパリオリンピックでの実話にもとづいて製作されたそうです。
この映画の製作は、デビット・プットナム。「「オリンピックの歴史」という本を読んでいるときに、自分の信念を貫き通したエリック・リデルの記事に心惹かれて、この映画を作るきっかけになったそう。デビット・プットナムといえば「小さな恋のメロディ」の製作者。


(あらすじ)
イギリスの名門校ケンブリッジ大学に入学した、走ることでは誰にも負けないエイブラハムズは、ユダヤ人というだけで言われなき差別と偏見を受けてきた。走って勝つことが差別と偏見に勝つことだと信じていた。また英国一の駿足と呼ばれていたスコットランド人宣教師エリック・リデルは、神のために走り続けた。この二人の青年が、試練を克服しながら深い友情で結ばれていき・・・オリンピックの競技でそれぞれ優勝するまでを描いた作品。


日本人にとって、ユダヤ人への差別というのはあまりピンと来ないし、日曜日は安息日なので走ることが出来ないという事にも理解できなかったのだけど、20世紀初頭のイギリスの上流社会や美しいイギリスの映像、素敵なブリティッシュ・トラッドファッションがとても心に残った映画だった。

映画冒頭での浜辺を走る陸上部員のバックに流れるヴァンゲリスの有名な音楽は何度聞いても良いですね。実際のエイブラハムズは、オリンピックの一年後に骨折して、選手生命を絶たれたそうだけど、役員としてスポーツに関わっていたです。しかも、弁護士、治安判事として法曹界でも活躍し、恵まれた生涯だったという。反対に、宣教師であったエリック・リデルは、オリンピック後に選手生活を引退し、宣教師として中国へ渡航。カナダ人女性と結婚し、三人の子供をもうけたが、第二次世界大戦勃発で、日本軍の捕虜収容所に抑留され43歳の若さで亡くなったとのこと。このようなところで日本が関係していたかと思うと複雑な気分。

「Vangelis - Chariots of Fire」

「炎のランナー」の原題「Chariots of Fire」とは、 賛美歌「エルサレム/Jerusalem」の一節からとられたもの。 この曲はイギリスの愛国歌なのだろうけど、関係ない私までもがとても感動してしまう。日本は「愛国」という言葉に対して、おかしな解釈をする人が多すぎるような気もします。

「Chariots of Fire- Jerusalem」

毎年、ロンドン夏の風物詩の音楽祭プロムスで聞くことができるJerusalemも素敵。

「Jerusalem - Last Night of the Proms 06」

Jerusalem Word by William Blake (1757-1827)

And did those feet in ancient time
Walk upon England's mountains green?
And was the Holy Lamb of God
On England's pleasant pastures seen?
And did the Countenance Divine
Shine forth upon our clouded hills?
And was Jerusalem builded here
Among these dark Satanic mills?

Bring me my bow of burning gold!
Bring me my arrows of desire!
Bring me my spear! O clouds unfold!
Bring me my Chariot of Fire!
I will not cease from mental fight;
Nor shall my sword sleep in my hand
Till we have built Jerusalem
In England's green and pleasant land.


エリック・リデルを演じたイギリス人俳優イアン・チャールソンは、この役を演じるために聖書を全巻読破した努力家だったそうだけど、実生活では、ゲイだったそうで、1990年エイズにより他界したそうです。この映画で貴公子ハードル選手を演じたNigel Havers氏がダンディで素敵でした。

最近のオリンピックの陸上競技ではイギリス人選手は目立たなくなってしまったようだけど、やはり陸上よりもフットボールなのでしょうね(笑)。
でも、近頃、マーラ・ヤマウチ(オックスフォード大卒、外交官であり、旦那は日本人)さんというマラソン選手が有名ですね。彼女はイギリス代表選手になるのかしら?

by chelsea26 | 2008-02-24 14:49 | 映画