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韓国映画「大統領の理髪師」



現在視聴中の韓国ドラマ
(KBS WORLD)
あなたは星
美しい時代
裸足の青春
母さんに角が生えた

(KNTV)
糟糠の妻クラブ
風の絵師
王と私
野人時代

(パソコンテレビGyaO)
マイ・ガール

今年はちょっと韓国ドラマの視聴を減らそうと思いながら・・・やっぱり1話見ちゃうと見続けてしまいます。しかも、韓国ドラマの放送回数って50話以上が当たり前の世界。
「あなたは星」というドラマは、30分番組だけど、全196話もあるんです。
やっと現在130話を過ぎたところです。う~ん、どうなるんだろう?あの二人。

視聴中のドラマの中で、60年代、70年代の韓国を舞台にしているドラマが
「美しい時代」と「あなたは星」。なぜだかこの時代設定のドラマに惹かれます。

そして、数日前の夜中、NHKBSで放送されていたのが韓国映画「大統領の理髪師」(2004年製作)です。この映画、前から見たいと思っていた映画の一つでした。

舞台は1960年代から1970年代の韓国。大統領官邸が位置する町、孝子洞の平凡な理髪師であったソン・ハンモ。しかしある事件をきっかけに大統領の理髪師になってしまう。必然的に大統領の身近にいる彼も、否応無しに政府の権力抗争に巻き込まれていく…。
当時の抑圧された思想統一、スパイの密告など・・・重苦しい題材を、一市民の目からユーモラスに、センチメンタルに描かれています。


主役は、「シュリ」「JSA」などでお馴染みのソン・ガンホ。
全くイケメンではありませんが、この人の存在感にはいつも圧倒されてしまいます。

今でこそ、お隣の国の韓国というと日本と同じように自由な国、イケメン俳優が多い国(笑)、食べ物が美味しい国・・と明るいイメージなんですが、80年代初めまでは、まだ民主主義が弾圧されていた時代でした。
この映画には出てきませんが、ドラマを見ていると、夜中になると「夜間通行禁止令」なるものが
あって、「もうすぐサイレンがなるから、早く帰らなきゃ・・」なんて台詞もよく聞きます。調べてみると、1982年頃まであった法律だそうで、夜の12時から朝方5時までは、夜間の通行を禁止していて、見つかると警察へ連行されたそうです。

この映画はほとんどが朴正煕大統領の軍事独裁政権が続いていた時のお話。
とはいっても、ひょんなことから大統領の理髪師となったソン・ハンモから見た当時の朴大統領は、映画の中では、冷酷な面よりも寛大で人情味あふれる人間として絵が描かれています。
それにしても、実際の朴大統領とこの役を演じた俳優さんがとっても似ているのが驚きでした。

1968年北朝鮮のゲリラ部隊に大統領官邸を襲撃される(青瓦台襲撃未遂事件)が起こり(実話)、ゲリラ部隊が下痢症状だったことにより、当時下痢だったものは、北と関係があるスパイとして情報部に連れて行かれ拷問され、死刑・・という(これは映画上でのフィクションです)ことがあり(映画の中では、この下痢をマルクス病と呼んでいる)、一人息子のナガンも下痢だったために、子供とはいえ情報部に連れて行かれ拷問を受けて、家に帰ってきたときには一人で立つことができない体になってしまいました。父ソン・ハンモは息子を背負って、息子の体を治すため国中の医者のもとを訪れます。山奥に住む仙人の元へいくときに、冷たい川を裸足で渡る父ソン・ハンモの姿にホロホロとなりました。

仙人に「体の傷は治せても、心の傷を治せない。近い将来、竜が死んだときに、その竜の目を削って、菊の花の茶と煎じて飲むと治るだろう」などと意味不明なことを言われ、頭をかしげる父ソン・ハンモ。
それから月日がたち、1979年になり、朴正煕大統領が暗殺され、弔問が終わったあと、父ソン・ハンモは、朴大統領の遺影の目を削りケースに入れて持ち帰ります。そして、あの仙人が言った言葉通りに、お茶を息子に飲ませます。
朴大統領暗殺後、全斗煥大統領の専属理髪師も頼まれるのですが、一度は断るものの、次のシーンでは大統領の散髪を行うシーン。でも、はさみを持って、いざ・・・「閣下、髪が伸びた頃また来ます」と言ってしまったソン・ハンモ。
あの大統領の風貌を覚えている人には笑えるシーンです。その後、ボコボコにされてしまいます。大統領官邸との縁を切ったこの行動が、息子の体に異変を起こします。韓国の社会も変わっていくのだなぁという予感も感じられるシーンでした。




父ソン・ハンモの一生懸命に生きる姿を息子ナガンの目を通して語られていく映画。
心が温かくなる映画でした。機会があれば是非ご覧ください。